柄酒造について

吟醸酒発祥の地、東広島市安芸津町で創業以来およそ170年間、清酒「於多福」「関西一」を醸しています。私たちは吟醸酒の父、三浦仙三郎の軟水醸造法を受け継ぐ小さな酒蔵です。地元の方々に大切にしてもらいながら、米や水といった原料の力、麹や酵母などの自然の力に寄り添い、丁寧な酒造りをしています。

ごあいさつ

酒造りの季節を迎えると、蔵人たちが忙しなく立ち回り、朝早くから米を蒸すふくよかな香りが漂う。私は、そんな活気の中で育ちました。
時代は移り変わり、今は家族だけで蔵を切り盛りしていますが、小規模だからこそ手間ひまを惜しまず、心を込め、丁寧に醸しています。といっても、醸す過程のほとんどは自然の力によるもの。人は、ほんの少しお手伝いさせてもらっているに過ぎないということを謙虚に受け止め、瀬戸内海と安芸津の風土に寄り添った造りを大切にしています。
当社の酒は、170年を越える歴史の中で、地域の方々やお客さまに愛され育まれてきた酒。そして、西日本豪雨の被災からも、多くの方々のご尽力によって復活させていただいた酒です。
これからも変わらず「吟醸酒発祥の地」「杜氏のふるさと」の名に恥じない酒を造り続けてまいります。
代表取締役社長
八代目蔵元 柄 宣行
大学で建築を学び都内の企業に勤めていましたが、2020年に安芸津に帰ってきました。大きなきっかけになったのは、2018年の西日本豪雨です。蔵の再建はとても厳しい状況だったにも関わらず、多くの方々の助けと励ましのお陰で、酒造りを再開することができました。
今は、「柄酒造を残さなければ」と思ってくださった方々に報いたい一心で、家業に励む日々です。蔵元としても杜氏としてもまだまだ見習い中ですが、父の背中から学び、愛され続ける酒を継承していきたいと考えています。
九代目蔵元 柄 総一郎